うわあ、すごいこれ。
多分、パソコン手に入れてすぐ位に書いた奴だ・・・。
・・・・あれ、今のより面白い?
ダーク&グロテスクにご注意、山高帽子は青少年の健全な育成を支援する団体を応援したりしなかったりしています。
眼球奇譚
僕は目が見えない。
生まれたときから見えなかった、僕は物が見たかった。
だからおとうさんが目玉を買ってきてくれたときは本当にうれしかった。
目玉はつるつるしていて冷たくて2つぶつけるとカチンといい音がした。
僕はもっと眼を探すことにした。
いろいろな目玉があった、やわらかいもの、かたいもの、ほんわかとあたたかいもの、ひやりと冷たいもの。
いろいろな場所で見つけた、学校や家、みちばたに転がっていたときもあった。
みんなぶつけたときの音がちがって楽しかった。
僕はもっと目玉が欲しくなった。
虫を殺した。
ころころした目玉は小さかったけど手触りがすごく良かった。
僕はもっともっと目玉が欲しくなった。
猫を殺した、猫の目はぬるぬるしていたけど素敵だった。
たくさん猫の目を集めたけどそのうちいやなにおいがし始めたので庭に埋めた。
僕はもっともっともっと目が欲しくなった。
犬を殺した。
犬は強いから遠くから自分で作った弓やどくを混ぜたえさで殺した。
犬の目は猫より大きかったけどつるつるしてとても可愛かった。
実験室から持ってきたホルマリンに目玉を漬けた、お陰で嫌な匂いがしなくなった。
僕はもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと。
目玉が欲しくなった。
じゃあ次に欲しい目は?
それを考えていたとき、ドアがノックされた。
「いるよ」
「お兄ちゃんご飯だよ」
「だよ」
妹だった、双子で裕子と早苗だ。
僕はとてもいいことを思いついた。
すばらしい思い付きだ、最高だ。
「お兄ちゃん?」
「・・・なんでもないよ、すぐ行くよ」
僕は笑ってそういった。
は
妹
の
目玉
が
欲しい
。
二組のそっくりな目玉を思い浮かべて僕はうれしくなった。
*
すばらしいことを思いついた僕だけど、問題があった、ずっと考えていたことだ。
自分の目で、集めた目玉を見たい、僕自身の目で。
特に妹達の目玉はどうしても。
でも目が見えないんだ、生まれつきなんだ、どうやっても見れないだろうな。
そう思っていた。
そんなときだ、その人が現れたのは。
その日は雨だった、僕は黄色い合羽を着ていた。
まだ妹の目は手に入れていない。目玉をどうやって抜き取るかを考えていたときだ。
僕の目の前に誰かが立った。
何だかいい匂いがした、香水ってやつだろう。
「坊や、こんにちは」
低くてやさしそうな声だった、でも油断できない、変質者かもしれない。
「坊やは目玉を集めているんだよね」
その声の主はそういった、僕は恐る恐るうなずいた。
「おじさんも目玉を集めているんだ、それで、君の持っている目玉が欲しいんだよ」
その人はとんでもないことを言った。もちろん僕は首を横に振った。
「もしくれたらおじさんの目をあげるよ?よく見える目だ、これをつければ君は目が見えるようになる」
「ほんと?」すごい話だ。
「ほんとさ、もし駄目だったら私の持っている目玉を全部あげよう」
ああ、欲しい、僕は自分の目で自分の目玉たちを眺めたい。
「ほかの目玉はまた集めればいいだろう?」
そうだ、目が見えたほうが妹たちの目玉も手に入れやすい。
僕はうなずいた。
「いいよ、あげるよ」
「よしじゃあ取替えっこだ!」
ざあああああああ!と突然雨の音が強くなった。
次の瞬間には僕の目の前にはおじさんが立っていた。
黒いマントを着た大きな人で傘も差してないのに体が濡れていない。
「どうだい私の目は?」
「すごく良く見えるよ、ありがとうおじさん」
「いいんだよ、君の目玉をもらったんだからね」
僕が家に帰ると目玉は一つもなかった。
お父さんもお母さんも僕の目が見えるようになったのをすごく喜んでくれた。
お父さんにもらった目玉だけは僕の机の上にあった、でもそれはただのビー玉だった。
「お兄ちゃん学校行こう?」
「行こう?」
妹たちが僕を呼んだ。
目が見えるようになってから目玉は集めてない。
あんなに欲しかった妹たちの眼も妹たちの顔を見ていたら欲しくなくなってしまった。
「うん、すぐ行くよ」
「お兄ちゃんはまだ目が見えてからそんなに経ってないんだからちゃんとつれってってあげるのよ?」
双子がはーいと返事をした。
目玉はもういらない。
でもお父さんにもらった眼だけは僕の机の中で今も光っている。
「ええ、成功です、いや仕事ですから、それより坊やに目玉をありがとうとお伝えください、はい、では」
私は電話を切った。
「どんな仕事だったんだ?」
机の上の小さなものが聞いてきた。
「ある子供が事故にあってね、幸い命に別状はなかったんだが、なぜか自分は生まれつき目が見えないと思い込んでしまったんだ。 以来彼は異常に眼球に固執し始めた」
私はタバコに火をつけた。
「始めのうちはただ丸いものを集めていたんだが、そのうち動物を殺し始めた。気がついた両親が私に依頼を持ってきた、とまあそういうことだ」
私は充実感に身をゆだねながら机の上の眼球たちを眺めた。
見事なものだ、ぼたんから、ボール、ボーリングの玉。
そして、ホルマリンにつけられた大小の目玉たち。
素晴らしいコレクションだ。
「君にも見せたかったよ、坊や」
男はニタアと笑った。
「まあ、妹のことは頼まれてなかったしな」
ケケケケと、男は笑った。
「お兄ちゃんこっちだよ」
「こっちこっち」
妹たちが僕を案内したのは学校ではなかった。
小さなビルの狭間にある小さな空き地。
一は変な形の果物かと思った。
そこには。
首が敷き詰められていた。
僕は何かを叫んだ。
声は壁に反響して、そのまま消えた。
妹達がそっくりの顔でニコニコしながら言った。
「すごいでしょ?お兄ちゃんにも見せたかったのよ?」
「きれいでしょ?お兄ちゃんにも見せたかったのよ?」
「事故でね、私たち首がなくなっちゃたの」
「お兄ちゃんは目だったのよね?」
「でね?首を集めたの」
「でね?くっつけてみようと思ったの」
「でも、嵌らないの」
「でも、ぴったりしないの」
『でもね?』
僕は妹達のランドセルから巨大な鎌と斧が出てきたのを意識の外で見ていた。
『お兄ちゃんのならいいわ』
どこかでけらけらという笑い声が聞こえてきた。
ああ、黒いあの人が、笑っている。
ああ。
目玉を、抜き取っておけばよかった。
・・・・・うわっこわあっ!
なんだ!この小説!?
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